早春の 百舌の真似歌 リサイタル
アンテナの 真先にモズの シルエット
耕せば モズの来たりて つまみ食い
カイツブリ 潜り潜りて 何処へやら
隊をなし 鴨カイツブリ 秋の川
カイツブリ 流れのままの つがいかな
草陰に オハグロトンボ 雨宿り
団栗に 恋をしたるや オトシブミ
どんぐりに ハイイロチョッキリ 穿孔す
ドングリニ ハイイロチョッキリ イノチ産む
団栗の ハイイロチョッキリ 名木挽き
健気なり ハイイロチョッキリ 枝落し
( 注 : ハイイロチョッキリは、象の鼻のような口を持った、体長1センチほどのゾウムシ科の甲虫の仲間です。)
団栗に カブト、かなぶん、 リス、カケス
無の上の いのちなりけり 七変化
ひまわりの 花を狩場の 子蟷螂
永遠を 重ねきたりし 牡丹かな
赤きもの 掃かんとすれば 秋茜
鶯の 歌の一音 裏返り
目の先の 鶯二羽と 見合いたり
電線で 尾羽ふるわせ 鶯鳴きぬ
鶯の 今朝の一声 極まれリ
おや、どこか 今朝の鶯 カラオケ気分
あら、うれし 睡蓮池に 黒めだか
乳母車 押して巡りし ひな浄土
人類の 貪りさらに 自然病む
こころ壊れし 人間たちの 増えていく
人間や 宇宙の底の グロテスク
時を超え 処を超えて 祈りpleroma
ひら
ひら ひら ひら モンシロ蝶
ひら ひら
艶めきて ハナビラカマキリ 蝶喰らう
ミツツボアリの生態に感心して...
蜜壷と 成りて透りし アリの腹
蓄えし 密を仲間に 口移し
睡蓮の 浮き葉早走る 子レンカク
天界に 住むかと紛う 子猫生きたり
ヒメスイレンと めだか一匹 ポリバケツ
濡れ縁に のったりノラの 日向ぼこ
賜りし いのちなりけり ツボスミレ
雪原に タンチョウの息 白く舞い
閑かさや 永遠底に チャボの声
柿の葉落ち オニヤンマ飛び行く
高層の ビル犇めきし 野蛮かな
珍しく 人間らしき 人に会い
物あふれ 娯楽あふれて 心枯る
風吹けば 吹かれしままに 夏柳
現世の 浮華を嘲笑うか 煙雨
群鳩や 朝日に黒白 翻し